[中級/前編]否定したら?対義語で肯定する。肯定されると脳内に快楽物質が出る
[例] それじゃダメ → こうすればいい(ダメ → いい)
早くしてもらわないと困る → 早くしてくれると助かる(困る → 助かる)
遅刻するな → 定時に出社するには?(するな → する)
できない → できるには?(できない → できる)
次に失敗したらクビだ → 次に成功したらボーナスだ(失敗・クビ → 成功・ボーナス)
面白くない → 面白くする(ない → する ・ しない)
契約が取れるまで帰ってくるな → 直行直帰していい(するな → していい)
いらない → 今は。いつか、いるかも(ない → いる)
プロジェクトから外すぞ? → 他の仕事を任せるぞ?(外す → 任せる)
肯定できなければ?黙る(六章に詳しく)
一章 肯定とは?認めること
同意すること。理解して、受け容れること。よいこと全般(下記 一章一節 参照)
[例]賛成、支持、是認、承認、容受、同調、合意、祝福、理解、納得、感謝、聴許、支援、称賛、尊重、協力etc.
一節 よいこととは?脳と体に好影響を与える明るいこと
(喜しい、楽しい、愛しい)気分が良くなること。気分が明るくなること。明気分(めいきぶん)
良い … 喜ばしい。上質。上等。上級。高級。優秀。有能。満足。得。適格。機能的。経済的
善い … 道徳的。人道的。正しい。立派。正当。睦まじい。好人物
好い … 好き。好ましい。親しい
宜い … ほどよい。都合よい。目的に適う
吉い … めでたい。縁起いい。よい時機
佳い … 姿形が美しい。見目麗しい
二節 具体的に、肯定を示す言行とは? (げんこう。行うこと&「言うこと」)
一項 言うこと。書くこと。能動的な言語コミュニケーション
褒める … 高く評価する 「うまい」「素晴らしい」「できる」「上手」「あっぱれ」「すごい」「いい(上記 一節 全般)」
称える … すぐれた行動や実績をほめる 「よくやった」「お見事」「上出来」「文句なし」
認める … 正しいと判断して受け入れる 「そうか」「わかった」「よろしい」「合点」
祝福する … めでたいことを祝う 「おめでとう」
好意を示す … 好ましい気持ちを示す 「好き」
支援する … ちからを貸して支える 「手助けする」「サポートする」「微力を尽くす」
お礼する … 感謝の気持ちを表す。また、その言葉や贈り物を贈る 「ありがとう」
元気づける … 気力を呼び覚ます 「よし」「がんばれ」「チャンスだ」「いける」
迎える … 招いて受け容れる 「ようこそ」「いらっしゃい」
伸ばす … 業績や能力を高めたり、もっと大きく育つように導く 「さすが」「その通り」
励ます … 奮い立つよう力づける 「がんばれ」「いい調子」「踏ん張れ」「無理するな」
助ける … 苦痛、危険、困難から逃れる力を貸す 「気を確かに」「きっと勝つ」「心配ない」
救う … 助ける。救助する。乱れを正す。良い方向へ導く 「もう大丈夫」「必ず良くなる」
譲る … 他人の考えや主張を尊重する。自分を後にして他者を先にする 「どうぞ」「優しい」
許す … 失敗や過失を責めない 「平気」「もういい」「構わない」「気にしなくていい」
感謝する … ありがたく思う気持ちを表す 「おかげさま」「恩に着る」「すまない」「助かった」「ごめん」「礼を言う」「うれしい」「忘れない」「お世話になります」
尊重する … 尊いものとして重んずる 「えらい」「頼もしい」「ありがたい」「頭が下がる」
協力する … 目的に向かって力を合わせる 「一緒に」「みんなで」「やろう」
愛する … 愛情を注ぐ。慕う。温かい気持ちで接する 「愛している」「可愛い」
二項 行うこと。動かすこと。能動的な非言語(ノンバーバル)コミュニケーション
スキンシップ無しの非言語コミュニケーションは職場でも有効。
スキンシップ無し
目を合わせる、微笑む、笑う、頷く、口角が上がった表情、近づく、拍手する、拝む、姿勢を正す、会釈する、声の抑揚、アイコンタクト、ジェスチャー、サインやシグナルを送るetc.
ただし、職場における異性間のスキンシップは、ほとんどセクハラになるため、ほぼ、無効。
スキンシップ有り
なでる 、触る、さする、触れる、つつく、揉む、軽く叩く、握手を求める、抱きしめる、ハグする、膝の上に座らせる、タッチング(手を当てる等)etc.
無効なコミュニケーションどころか、社内恋愛等の例外を除き、逆効果。一般社会でいうところの性犯罪もしくは風俗業に相当
二章 肯定するには?(能動)
五感を使って肯定する。話して肯定する。見て肯定する。聞いて肯定する。書いて肯定する。スキンシップなしの非言語コミュニケーションで肯定する
真摯な態度で肯定する(いい加減に肯定すると、相手の神経を逆なでするリスクあり)
一節 正しく肯定する方法(リサーチ法)
正しく肯定する(たとえば褒める)三段階プロセス
一項 [1]情報を集め、[2]いいところを探し、[3]伝えて良いと判断したら、誉める
二項 調査…情報を集める。会話の中から聞き取る。立ち振る舞いを観察する。etc.
三項 分析…良いところを探す。優れているところや、肯定できそうな(誉めて有効そうな)独自性、他との違いといった個性を見つける
四項 企画…女性に対しセクハラにならないか?男性に対しモラハラにならないか?気分を害しない褒め方か?かえって嫌味に聞こえないか?どうすれば喜ぶか?楽しむか?等々を考える
五項 リサーチ法を知らず、性急に肯定して(褒めて)、成功すれば良し。へたに褒めて失敗が重なると、嫌われ、褒めることが苦手になる怖れあり
六項 マーケティング業界以外にリサーチ法は知られていないため、翻すと、リサーチ法を使える人、ほめる人に、人望や、人気が集まる。部下や、子供が伸びる。
リサーチ法を面倒がると、褒めなくなり、その人の周りは、褒められなくなる。人々が散る。
二節 受けた好意に報いたい心理(返報性の法則)
肯定される機会を待つより、自ら進んで肯定するほうが、肯定される機会に恵まれやすくなる
一項 肯定されるには、肯定してくれる相手(能動体)が必要
二項 自分で自分を、ほめることは、いつでも、どこでも、可能(能動的 自己肯定)
三項 他人が自分を、ほめてくれるかどうか、予測不可能(受動的 自己肯定)
四項 肯定されるかどうかは、他人に任せて待つ他なし
五項 座して待つのも道なれど、こちらから褒れるほうが、褒められやすくなる。
三章 肯定されるには?(受動)
5回褒めて、1回褒められるかどうかの確率(パレートの法則)
褒めたくなる人になる(実績を出す。ほめられるような何かを続ける)
一節 肯定の受動が生命の維持に関わる実験
愛育されず、あやされず、話しかけられず、良質なコミュニケーションを断たれ育った乳幼児は三年以内に全員が死亡
二節 人は、肯定するより、肯定されたい
「ほめたい」より、「ほめられ」たい。肯定されると、体内の快楽物質が放出される
一項 報酬のドーパミン …「よくやった」と褒められたい。「できた」「終わった」「すっきりした」と満ち足りたい。ささやかな無形物でもいいから褒美が欲しい。別名・やる気ホルモン。報われることで感じる喜び、達成感、到達感、爽快感、期待感。
二項 幸福のセロトニン … 「いいね」「楽しい」「うれしい」「気分いい」「おいしい」「感動した」とコミュニケーションしたい。別名・幸せホルモン。自律神経を調節し、体内リズムを整え、気分を安定させる
三項 社交のオキシトシン … 「ありがとう」と感謝されたい。「どうぞ」と親切にされたい。「いいね」と受け容れられたい。別名・仲良しホルモン。贈ったり、もらったり、奉仕することで、社交的になり、味方を増やす
【正解のない考える研修】いつでも、どこでも、体内物質を分泌して気分よくなるには?
やる気ホルモンの報酬系ドーパミンを出すには何しましょう?[ 答え ]
幸福ホルモンの安らぎ系セロトニンを出すには何しましょう?[ 答え ]
【正解のない考える研修】肯定されるには?どうしましょう?
褒められるには、どうしましょう?[ 答え ]
励まされるには?どうしましょう?[ 答え ]
四章 もし、否定されたら?[受動] 人は、否定する生き物
人は、否定する(防衛本能)生き物。あなたも必ず否定される。そのとき自分を守る七つのプラン
一節 「どうして?」否定された理由を訊ねる
一項 感情的に否定されたのか、理性的か、考えてみる(但し、否定した行為が正しいと信じている相手とは、議論しない)
二項 今後どうすればいいか?方法を訊ねる。一緒に考えてくれる味方かどうかの判断材料にする
三項 信頼できる第三者へ相談する。独りで考え込むと、体内物質のバランスが乱れ、心身ともに変調を来たす
二節 決して「悪い人じゃない」と、理解する立場に立ってみる
一項 歯痛、持病、更年期障害や、裏表のない性格による、八つ当たりかも知れない可能性を探る
二項 役を演じているかどうか観察する。上司、部下、同僚、親兄弟、依頼人、友人等、立場によって発言内容は変わる
三項 相手にも家族がいて、食べて眠って、明日があって、幸せになりたくて生きている普通の人間であることを思い返す
三節 気にかけて欲しいのかも知れないと、同情してみる。話したくて、わざと否定(意地悪)する、反動形成の可能性あり
四節 否定されることを、楽しんでみる(ex.内心せせら笑う。面従腹背でスルーする。腹の中で反論する。敵に与する等)
五節 インターネット等、見えない相手からの攻撃は、気を病むので、見ない・聞かない・関わらない。エゴサーチしない
六節 相手が、感情的に否定する行為を楽しんでいる様子であれば、逃げるか、知恵で闘うか、第三者へ相談し、防衛する
七節 最後の手段は、同じ空間を避ける
例えば、いじめが起きない種類の魚さえ、海から、水槽へ移され、二匹以上になると、一方が、つつき始め、最悪、うろこが剥がれて動かなくなるまで、一対一あるいは一対多で、長期間、いじめ続ける。水槽を移す外に生かす術なし
【正解のない考える研修】 立場を変え、いじめ役と、いじめられ役、両方で考えてみる
知名度が高い『忠臣蔵』“刃傷松之廊下”を題材に、三つの立場から考えてみよう
▽ あなたが浅野内匠頭だったら?作法を教えてもらえず意地悪されたり、モラハラで嫌味を言われた腹いせに、切りつけますか?それは、美談ですか?
▽ あなたが吉良上野介だったら?付け届け(賄賂)が当り前だった時代、貧相な品々を付け届けたり、袖の下を渡さない相手に対し、モラハラで対応しますか?
▽ あなたが大石内蔵助だったら?赤穂で留守を守っていて知らされた、寝耳に水の事件に、どう対処しますか?討ち入りで正解ですか?
五章 もし、否定してしまったら?[能動]付け足す
[1]否定形を肯定形にする[2]かも……で可能性を残す[3]方法と結末予測を伝える[4]悪意がないことを伝える[5]あやまる
一節 否定形の「ない」を肯定形の「ある」に翻して可能性を残す
可能性を潰す否定形ではなく、可能性を残す肯定形で話す
一項 「ない」と言いそうになったら、「ある」へ裏返す。ex.残り半分ない → 残り半分ある
二項 逆接の接続詞(しかし、でも、だが、けれど、ならば等)で可能性を残す。ex.しかし~ならば良い
三項 タラ・レバの条件を付けて可能性を残す。ex.~したら「いい」 ~だったら「いい」 ~すれば「いい」 ~あれば「いい」
二節 かも…で逆接し、可能性を残す
ex.お前には出来ない→ やれば出来るかも→ もしかしたら出来る→ 出来るかどうか試そう → 出来そう→ 出来た
ex.お前には分からない → 原因は本人以外かも → 教え方が良ければ分かるかも→ 他から教わる → 分かった
ex.やりたくない → その気になればやるかも → やる気を出すドーパミン対策。低い目標と到達。ご褒美。笑う
三節 うまくいく方法を伝えたら、その結果を予測し、両方を伝える
一項 ダメと否定したあと、良くなればどうなるのか?結果を予想して伝える。ex.~すれば~こうなるかも
二項 どうすればその結果に近づくのか?やり方を伝える。ex. こうすれば ~そうなる
四節 悪意や敵意がない否定形であることも伝える
笑って会話を終わらせる。
情愛に基づく否定だったことを伝える ex. 下手くそ!vs 下手くそ(笑)
五節 あやまる
年齢、性別、能力、勤続、役職にかかわらず、仕事と無関係な何かを否定したら、できた人物の証として、謝る。
一項 職務とは無関係な容姿、嗜好、趣味、人格、思想、人脈、未来、プライバシー等を否定した場合、人道的に詫びる
二項 詫びたくないプライドが邪魔する場合や、謝るのが恥ずかしい場合は、オキシトシン効果を狙い、飴から食事券まで、相応の詫び印を進呈する
三項 間違いを指摘するときは、正解も一緒に伝える。正解を知らなければ、暗黙知の状態を伝える
六章[能動]否定しそうになったら?水際で回避する三つの方法
[1/3]黙る [2/3]同情してみる [3/3]指折り5つ数える。すぐ怒ったり、悲しんだり、嘆いたり、何でも嫌ってしまう感情的な人は、損。
怒られた相手の脳内には、ストレスと闘うノルアドレナリンが放出され、悲観的かつ戦闘的になり、否定した人を、潜在的に、危険な対象と見なす。よって、否定しないほうが、人間関係上、得。
一節 否定辞の「ない」で締めくくりそうになったら?『沈黙は金』 ゆえ 『黙る』
[例] ◇よくない →黙る ◇信じられない →黙る ◇有り得ない → 黙る ◇面白くない →黙る ◇みっともない →黙る
二節 否定せざるをえない時は?愛情をもって否定する
善意や好意の愛情で否定すると、赦されやすい反面、悪意や敵意の悪情で否定すると、憎まれやすい。
三節 悪情(悪意・敵意)で受け入れる前に
好意や善意の愛情で受け容れ、同情してみる。
【正解のない考える研修】もし、部下が、遅刻してきたら?
正論派 ▽ 「時間を守るも給料のうち」 ▽「給料日が約束事なら、定時出社も約束事」
ユーモア派 ▽ 「皆勤賞の凄さが分かるね」 ▽「自分の若い頃を見ているようだ」
同情派 ▽ 「おはよう、何かあった?※」 ▽「何かアクシデントでも?体調が悪いとか?※」
※ 同情の秘訣は「?(クエッションマーク)」= 尋ねること
四節 否定したい感情を、理性でコントロールする「指折り5秒」の猶予術
一項 カッとしたら、黙る。何も言わず、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒と、指を折る。
二項 怒りの感情は、コントロールできない0.1秒のスピードで表出されるため、黙り、感情を表に出さない。
二項 たとえば、怒っている理由を、論理的に説明するには、1秒以上時間がかかるため、まず、一秒やり過ごす。
三項 理性へバトンタッチして、論理的に解釈すべく、5秒間、自分自身へ質問を投げかける
[例1] 否定して、どんな得がありそうか?指折り5秒間、自問する
[例2] 職場の雰囲気を壊して、生産性を下げてでも、否定しなければならない大事か?指折り5秒間、自問する
[例3] 否定しようとしているのは、仕事のことか?仕事以外のことか?指折り5秒間、自問する
[例4] 否定した相手が、自分のパワハラを理由に辞職したら、どのように責任とるか?指折り5秒間、自問する
[例5] 否定形で締め括りそうになった時は、続けて、肯定形へ逆接できるか?指折り5秒間、自問する
例文の他、あなたに合った5秒問(ごびょうもん)を作ってみよう
中級前編まとめ 「もし否定したら?逆に肯定する。直感で感情的に肯定するか、あるいは、理性的に、先ず、情報を集め、いいところを探し、伝えていいかどうか考えてから肯定する」
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