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メールマガジンのサンプル/No.398 差別化と価値
(原稿用紙5枚分。読み終わるまで約5分)
「価値とは、何か?短く、一言で、教えて下さい」
と問われたら、何と答えます?価値なんて、ありふれた言葉の意味、ご存じですよね?
では、どうぞ、お答え下さい。
[あなたの答え] 価値とは (短く20文字以内)
「いや、どうして、短く、たった一言で、答えなきゃならんのじゃ?大学入試じゃあるまいし」
って?それも一理ありますな。では、長~い文章にして、お答え下さい。
はい、どうぞ。
[あなたの答え] 価値とは (原稿用紙1/4の100文字以上)
お答えになりましたか?
ここまでで、価値とは何か?短く、あるいは、長く、答えられるようになっているはずですよね?
短くても、長くてもいいので、答えたら、次へ進みましょう。
では、レベル2の質問。
あなたが売っている商品の価値は、何ですか?
レベル1の単なる価値の話じゃありません、商品の価値です。では、どうぞ、お答えください。
[あなたの答え]自分が売っている商品の価値は・・・
レベル2の質問に答えたら、次、レベル3の質問。
「その価値を、顧客である私へ提案して下さい。買いますから」と請われたら、何を提案しますか?
「さあ、わかりません」
では済みませんよね(笑)
自分が売っている商品の価値を分っていなければ、説明することも、理解してもらうこともできませんから、売れっこありません。
商品が売れないのではなく、価値が、売れていない
売れないということは、商品が売れないのではなく、
- 商品の価値が売れないか、
- 商品に価値がないから売れない
ということになりますね?
もし、売れずに悩んでいる部下がいたら、以上3つの質問に答えてもらってみて下さい。
- 価値
- 商品の価値
- 価値の提案
です。意外と「価値とは、何ぞや?」というレベル1の質問からして答えられないかも知れませんよ?(だとしたら、売れずに悩むはずです)
では、3つ目の答えを、どうぞ。あなたが売っている価値の提案です。

え?質問が分かりにくい?
たとえば、メガネの価値は、よく見えることです(核心的ベネフィットといいます)が、そのベネフィット(便益)は、他にもあり、
- 軽いメガネは疲れませんよ~という提案もありますし(機能的ベネフィットといいます)
- かっこよく見えますよ~という提案もあります(情緒的ベネフィットといいます)
お分かりになりますね?
運転免許の更新で、視力検査に落ちると、どのみち、作り直さなければなりませんよ~という提案もあります。(いやなことが待っているよ~という類いの恐怖提案はオススメできませんが)
ちなみに、3つのベネフィット(中核・機能・情緒)とは別に、便益(ベネフィット)には
- 期待
- 恐怖
2つの軸があると拙著に書きましたのは、読者さんでしたら、ご存じの通り。
価値とは?人によって、価値は、異なる
ご安心ください、3つの回答に正誤はありません。人それぞれ「これが価値だ」と思うものが価値です。
さはさりながら、筆者の小笠原が考える価値の定義は、
「その人にとって大事なもの」
です。その人にとって…ですから、人によって、価値は、異なります。
とりわけ、売る側と、買う側では、異なります。絶対的な価値が。
絶対的な価値とは、たとえば、家具店では、商品である家具が、代金と交換されますので、家具そのものに価値を置くでしょう?商品なんだから、家具を磨いたりして、大切に扱うはずです。
ところが、買う側は、家具が欲しくて、家具を買うわけではなく、家具によって、
- 収納という核心的な目的を果たしたいか
- 丈夫という機能的な目的を果たしたいか
- 見た目の素晴らしさという情緒的な目的を果たしたいか
それらの組み合せが目的ですよね?
価値とは?その人にとって大事なもの
お客様は、自分の目的に沿うものであれば、家具でなくてもよく、収納ボックスや、衣装ケースを積み重ねて、家具代わりに使ってもいいし、木の板や棒を組んでもいいわけです(相対的な価値)
家具店のスタッフが大事に思う家具の価値(お金と交換できる品物)とは異なり、お客様は、自分にメリットがあるかどうかで、価値を決めます。
突き詰めると、お客様にとって、家具には、何の価値もなくなります。
セピア色した写真のように、他人には無価値であっても、自分にとって、大切なものが、価値ですから。
ということは、ワイヤーラックを探しているような(核心的な目的のみ果たしたい)人は、収納や、整理整頓できれば、それで充分かも知れません。美しく磨かれてあろうと、なかろうと、関係なく、頑丈で、価格は安いほうが、いい。
もしかしたら、中古でもいい。
え?見知らぬ他人が使った家具は嫌だって?
超一流ホテルの家具やベッドや風呂だって、見知らぬ他人が使っている家具です。
一方、機能的な目的を果たしたい人にとって、家具は、拙著「あの会社が元気なのには理由がある」に登場した八木研のように、仏壇と一緒になっていてもいい。
翻せば、家具と、仏壇を、分けて考えるメーカーや、業界のほうが、お客さんの価値観からすれば「おかしい」ということになりますね?
なので、八木研さんの価値観は、業界から袋叩きの目に遭って尚、お客様に支持され、市場に受け入れられました。
ぶっちゃけ、よくありがちな昔からの仏壇は、フローリングの部屋に、そぐわないから、フローリングの部屋にあって違和感のない仏壇が求められていたということです。
一方、情緒的な目的を果たしたい人にとってk家具は、アンティーク家具だったり、ブランド家具だったりします。
お客様は、家具を、「商品なんだから、大切に扱う」とは決して思いません。アンティークにしろ、桐箪笥にしろ、自分にとって、大事なものだから、大切に扱います。
ここに、売る側の絶対的な価値と、買う側の、絶対的な価値の相違が生じます。
売る側が考える価値と、お客さまが考える価値は、異なります。
それを解決するには、売る側の絶対的価値観を押し付けるのではなく、通常は、買う側の価値観を、相対的に(売る側と買う側を比べたうえで)知ること。マーケティング・リサーチです。
もちろん、人気ラーメン店のように、
- 「これぞ、ウチのラーメンの味じゃあ!」
- 「量が多すぎ?それでイーのじゃあ!」
と、売る側の、ゆるぎない、絶対的な価値を押し付けたほうが良い場合もありますが、その絶対的価値が受け入れられるかどうかは、調べてみなければ分かりませんよね?マーケティング・リサーチです。
絶対的と相対的な価値観
ただし、電卓のように、商品の価値を、予め、ユーザーが理解している場合は話が別です。
価値を提案しなくても、勝手に買う(自動的に売れる)からです。自動的に売れるのですから、スーパーのレジ係よろしく、商品と代金を交換するだけで、商売は成り立ちます。
これが、企業間取引の場合は、見積書を書いて、発注書をもらって、納品して、請求書を発行するだけで、売上は立ちます。
どちらも、自動販売機や、ネット通販と同じですね、人間が売る必要性は希薄。カタログ(商品説明)さえあれば、黙っていても売れます。
自動的に売れる商品(価値を顧客が理解している商品)を、人間が売る場合、自販機やネット通販とは
違う何か = 差別化 = 差をつける優位性 = 玉石混淆する中で光る価値
が必要になることは、お分かりになるでしょう。比べて光る、相対的な価値です。
お客様は、他でも買うことができる
平たくいえば、
- 「なんで、アンタから買わんきゃならんの?」
- 「隣でも、同じ商品、売ってんじゃん?」
- 「通販でも、同じ商品、売ってんじゃん?」
- 「車で1時間かかるけど、ショッピングモール行けば、豊富な中から、選べるじゃん?」
ということです。そこで、質問レベル4。
「どうして、あなたから買わなければならないのですか?」
[答え]なぜなら…
最後に、質問レベル5で、この短かった研修(トレーニング)は、終~了~。
「他社(の商品)に勝る、貴社(の商品)の違いは何ですか?」
[あなたの答え]我が社(の商品)の強みは・・・
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