給料が増えないのは?従業員の生活を安定させるため
給料を増やしたい。
そう誰しも思っているでしょうし、私利私欲にまみれた経営者を除けば、ほとんどの経営者が、従業員の給料を増やしたいと思っています。本当に。
うそ?偽善?
いいえ。なぜなら、給料の多寡(多い・少ない)は、同じ経営戦略の人事戦略に直結するからです。
- 高い広告費を払って、募集広告を出さなくても、入社希望がある
- 優秀な人材が、入社したがる
- 入社したら、辞めたがらない
採用に有利な企業であるためには、給与を、一円でも高く提示しなければなりません。
誰だって、安月給は、いやですよね?
給料が高いところに、勤めたい。
今より、もっと増えてほしい。
みんな、そう望んでいるのに、給料が増えないのは何故かというと?
経営はカネ(資金)が最優先
資金(カネ)が底をついたら、企業は倒産します。
従業員ともども、明日から無職。それどころか、給料を未払いのままだと、従業員から、訴えられます。経営者として、倒産だけは、避けなければなりません。
かくして、資金(カネ)の調達と、配分に、経営者は悩みます。カネ(資金)が最優先ゆえに。
そもそも、電話がなければ、お客さんと連絡つきませんから、電話代を払うのに、毎月、電話会社へ支払う現金が必要ですよね?
それと同じように、従業員へ、一定の現金を、全額、毎月一回以上、決まった日に、直接、支払わなければなりません。それが、給与。
そのように法律で※定められていますから、現金以外の商品券や、会社名義の小切手で配ると罰せられます。
従業員の生活が成り立たなくなるからです。※賃金支払いの五原則(労働基準法24条)
いわずもがな、商品がなければ、商売になりませんから、仕入れるのに、現金でなくても(手形であっても)、資金(カネ)は、必要不可欠であることが、お分かりになりますよね?そうして、
従業員は現金を受け取り、生活を維持
させられます。
その従業員の求めに応じて、今より、金額を引き上げるの簡単です。○○万円にしようね~と労使が(経営者と従業員の間で)話し合って決めるだけですから。
ところが、一旦、上げたら、下げるのは、困難です。
「今月も○○万円」と決められた金額が入ってくることを念頭に生活設計する従業員の暮らしが不安定になってしまうからです。
かといって、給与を上げてほしい要望に応じて引き上げ、仕入れ用の資金を使い果たしてしまったら、商品を仕入れられなくなります。
仕入のみならず、交通費も、家賃も、水道光熱費も払えず、会社を維持できなくなります。
そうすると、固定費を払えずに倒産、是すなわち、経営者、失格。
必要最低限に抑えたほうが支払いが楽な固定費
会社を維持するために、月々、きちんと支払わなければならない固定費(電話代、水光費、家賃、交通費、社用車のリース代、文具やパソコンなどの消耗品代、ローン等)のうち、こうして、人件費である昇給は後回しになります。
固定費は、必要最低限に抑えるほうが、支払いが楽だからです。
あなた個人に喩えてみると、わかりやすいでしょう。どんなに多額の収入であっても、家賃やローン等、毎月の支払いに消えてしまっては、生活が苦しくなりますね?
個人も、法人も、固定費の支払いは、少ないほうが楽なのは、同じこと。
もし仮に、近ごろ、売り上げが良くて、利益が増えて、儲かっているとしても、給料という固定費を上げずに、ボーナスのような一時金で、従業員へ還元するのは、固定費の増加が、会社の運営(経営)を圧迫するからです。
会社を倒産・解散させずに、維持するのが、経営者の責任ですから、カネ(資金)を、どのよう使って、会社を維持していくか、考えて決めるのは経営者であり、その作戦が、経営戦略ヒト・モノ・カネのうちの一つ、財務戦略(カネ作戦)です。
このように、人事と財務は直結していますので、人件費という固定費を上げにくいのは、従業員の生活が不安定にならないため、ひいては、従業員を守るためなのです。
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