営業戦略の野戦・攻城戦・籠城戦
マーケティングでは、“マーケティング戦略“というように“戦略““戦術“といった表現が頻繁に使われます。
“実戦“という表現も使われます。
ビジネスなので“戦“の一字を嫌う向きもありますが、企業が営利を追求する団体である以上、利益を勝ち取る必要があります。
利益が多ければ、殆どの問題は解決します。が、利益が無ければ、会社の死=倒産です。 こうしてシビアに考えると、やはり「戦い」といっていいでしょう。
戦いに勝ち、戦利を得るのみ。
“戦略“にしても“戦術“にしても、戦い方については諸説様々ありますが、ここでは、店舗での戦い方を中心に、筆者独自の視点で“戦い方“を3つに分類してみましょう。
1)攻城戦
城へ攻め入る攻城戦は、契約という首級(しるし)を獲るためにクライアントの許へ赴く企業間取引の営業に 喩えれば分りやすいでしょう。 さっそく余談ですが、株式会社○○の○○社長が、珍しくスーツ姿でお見えになったので、どうなさったのか
お聞きしたところ、首都圏では大規模な外食チェーンの本部3社へ、 「飛び込み営業してきた」 とおっしゃいました。驚きました。 そのうち一社へは、ちゃんと製品説明してきたというのだから、なお驚きました。
中小企業といえどもは、2,000坪もの広大な敷地に工場を構えるメーカーです。 そのメーカーの社長みずから飛び込み営業とは! しかも、知命(50歳)を迎えた社長が!
です。のちの酒席で社長から、 「飛び込み営業って、どう思いますか?」 と問われましたが、飛び込み営業の是非よりも、口先だけの命令や、机上の空論に終わらせることなく、社長
自ら模範を示す姿勢に感服しました。 どうして飛び込み営業したのか訊ねたところ、曰く、 「社長が口先だけじゃ、社員は、どうやって動けばいいか、わかりませんよ」
とのことでした。
商売は信用第一との基本に立ち返り、売るより先に信用を得、売れる機会に無理なく営業しリピーターを増やす作戦。
セールス機能を五段階に分け、機能と機会ごとに論理的な戦術を展開。
トップセールスだけが何気なくやっている、100人に1人もやっていない(=1%以下)このサイトだけの科学的な営業戦略
2)野戦
自分の城でも、相手の城でもなく、外のフィールドへ出て戦う野戦は、冬の季節なら、石焼いもの移動販売が好例。
大都市のタクシーも野戦型のビジネスです。俗にいう「流し」で乗客を確保します。
さお竹屋も、屋台のラーメン店も、キャッチ・セールスも、デート商法(笑)も野戦です。
野戦には野戦の戦い方がありますが、ここでは割愛。3)籠城戦
籠城戦は、小売店が典型的で、この“籠城戦“が本稿の主題です。
ありとあらゆる店舗が、自分の城に籠(こ)もって戦う籠城戦にあたります。
有店舗を構える販売店は勿論のこと、温泉などの宿泊施設も、飲食店も然り。
戦場は、牙城(=将軍旗(牙旗)を立てた城)
こもって戦うため、攻城戦や野戦のような攻撃型ではなく、専守防衛=お客さんが来るのを待つ戦いになります。
籠城戦には籠城戦の戦い方があります。
それは、チラシや割引などの戦術レベルでは巻き返しが難しい“戦略“の領域にあります。
ひと言でいえば、お店か商品の魅力に尽きます。
問うなれば、
「あなたのお店は、お客さんが交通費をかけてでも、わざわざ買いに来るお店ですか?」
「あなたのお店は、お客さんが移動の時間を費やしてでも、行きたくなるお店ですか?」
ということです。