| マーケティング調査はコミュニケーション/きっかけを作るリサーチ |
このページたった1ページで伝え尽くすのは不可能なほどマーケティング・リサーチの奥は深いのですが、定義は簡単。(マーケティング・リサーチの教科書などでは、どう定義されているか知りませんが)リサーチとは顧客の意見を訊くことです。
人の意見を訊くだけなのだからカンタン(笑)、誰にでも出来ます。 |
ところが、カンタンなものほど、奥が深くて、難しいもの。
たとえば、ある調査対象のキーマンから情報を聞き出すリサーチで、何が難しいかというと、調査で聞き出す
テクニックではなく、そのキーマンに ア ポ イ ン ト を 取 る のが最も難しかった。
なぜなら、アポイントが取れなければ、調査は不可能なので、アポイントの申し込みは一発勝負で決まります。
失敗したら、二度目のアプローチは極端に難しくなります。 |
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逆にいえば、会ってしまえば、あとは何とかなります。また会う可能性を残せます。このあたりは、一度お取引いただくと次回も取引しやすくなる新規の営業活動と同じです。
よって、一回目のオファーで如何に
「会ってもいいですよ」
と言わしめるかに全ての神経を集中させます。その計画を練りあげます。
会わずとも、電話で聞き取る方法(テレフォン・サーベイ)もあります。
しかし、電話では、核心まで聞き出すことが難しい。調査活動は、営業活動に等しいのです。 |
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調査活動=営業活動の図式を、勧誘活動へ言い換えれば、わかりやすいでしょう。
用意してある会場に人を集めて意見を聞くセントラル・ロケーション・テスト(CLT)という調査方法でも、情報を聞き出すことより、人を集めるのが最も大変。
なぜなら、道行く人に声をかけて
「調査に協力してもらえませんか?」
と会場へ誘導しなければ、調査できませんからね。
いわば、繁華街で
「社長!社長!いい子いまっせ」
と声をかけるポン引きと同じです(笑) |
これが、なかなか引っかかりにくい(苦笑)
なぜなら、道行く人は、それぞれに予定があって、その道を歩いているので、そう簡単に次々と
「ハイいいですよ」
と協力してくれる人など少数。ヒマで道を歩いているビジネスマンなど皆無だからです。
特に、クルマや事務機といったビジネスマン対象の試用調査(製品試用、ネーミング試用、パッケージ試用)は
なかなかビジネスマンが捕まらずに苦労します。
そこで
「謝礼に千円を払います」
とエサをチラつかせます。アンケートの反応がプレミアム次第であるのと同じです。 |
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また、新人が新規開拓しベテランが同行営業するのと同様に、CLTの勧誘にあたるのは、スキルの低いリサーチャーであったり、時にアルバイトだったりします。
スキルの高いリサーチャーや、マーケティング部のスタッフは、会場の中で調査にあたります。この辺りの役割分担も、同行営業する営業活動に似ています。 |
但し、あらかじめ対象者を集めておく場合のCLTは、道ゆく人に声をかけなくても済みます。
その場合は、有益な情報を得られそうな対象者達をどうやって集めるかが問題になります。どうしても集まらなければ人材派遣会社に相談して、対象になりそうな人だけを抽出して集めたこともありました。高くつきましたが(苦笑) いずれにしても、リサーチは人ありき。
リサーチ会社に就職して、リサーチのプロになるのでなければ、リサーチ技術を高めるよりも、先ず、たとえばSNSでコミュニティを運営しておくなどして、質の高いインタビュイイー(回答者)たちとスピーディーに接触できる環境を整えておくことをお勧めします。 |
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街頭インタビューも然り。
協力してくれる人を見つけるのが一番たいへんですし、正直に調査しようとすると、その人を見つけるのに最も時間を費やします。平たくいえば、街を駆けずり回ることになります。
一般の人が、街頭でインタビューに答えているシーンを、テレビのニュースなどで見たことがあるでしょうが、あれとは異なります。
一見してテレビの取材とわかる複数人のテレビクルーが、カメラやマイク等を向けているのであれば、 「あ、テレビの街頭インタビューだ。インタビューされたら、どうしよう」
と、恥ずかしいやら嬉しいやら複雑な心境の一般人たちが集まり、人垣を作り、イベントの様相を呈すためインタビューに協力してくれる人を見つけるのは容易ですが、「スタッフ」の腕章をつけて「お願いします」と声をかけたところで、どこの馬の骨ともわから無い「スタッフ」に協力してくれる人は少数。
警戒されるからです。 |
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とくに、ビデオカメラで、
「取材風景を撮らせてもらってもいいですか?」
と申し出ると、一旦は協力に快諾してくれた人が、
「撮るなら断る」
と翻る場合が多い。テレビの取材とは勝手が違います。
しかし、クライアントは、ナマの取材シーンを欲します。
インタビューの様子を、マジックミラーの後ろから見るべく、マジックミラーのインタビュールームを設えている
リサーチ会社さえあるくらいです。そうして、
「取材風景の映像が欲しい」
となるわけですが、 「顔は撮りません。ショルダーダウン(肩から下)の映像で構いませんから」
と補足すると、どうしてもカメラレンズをバスト付近へ向けることになるため、女性からは露骨に嫌われます。
見知らぬ人へレンズを向ける行為は、思いのほか難しいものです。
「うーん、どうしようか…」
寒風が吹きすさぶ現場に立ち尽くして悩みに悩んだ筆者が見つけた方法が以下。 |
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どうしても映像を必要とする場合は、インタビュアー(インタビューする人)がカメラへ向かい、インタビュイイー(インタビューを受ける人)がカメラに背を向けた状態で、
「取材風景を背中の方から撮らせてもらえますか?もちろん、顔は映りませんので、ご安心ください」
と依頼すれば許可を得やすかったですね。 この方法にたどり着くまで、どれだけ怪しい目で見られたことか(苦笑) |
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以上のように、リサーチで最も難しいのは、聞き出す技術ではなく、聞きたい情報を持っている人を探し出すこと。
そこへ当たれば半分リサーチが終わったようなものです。
また、その人と、どう接するかが、これがまた難しい。
相手あってのリサーチですから、雰囲気ひとつで回答が180度変わる場合さえあります。人は感情の生き物ですから。
とくに、グルイン(グループ・インタビュー)で実感しましたが、その雰囲気作りに最も神経を使います。バラエティ番組のMCになるようなものです。
もし、あなたが、リサーチを始めるなら、聞き出す技術を研鑽するよりも先ず、対象となる人をどうやって集めるか(アンケートならば有効な回答を集めるか)計画と環境づくりを練って下さい。 |
わかりやすく、あなたが御覧のインターネットを例に取りましょう。
メルマガを発行していれば、メルマガを使ってリサーチできます。
アンケート画面へリンクを貼ることも可能です。
ということは、インターネットでリサーチしたいと考えるならば、メルマガを発行しておくこと。
少なくとも、メルマガ未発行よりは有利になります。 |
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また、Webサイト上にアンケートを公開しておくなどして、意見を聞けるような環境を整えておくこと。
もちろん、回答しやすいようにしておかなければ不親切になります。
以下は余談ですが、以前、あるBtoC製品のメーカーのホームページのアンケートに、
「今回、リニューアルした当社の製品は、リニューアル前に比べ、何%くらい売上が伸びると思いますか?」
との設問があったのには驚きました。具体的な数字を一般人へ訊ねているのです。
どのような意図で作った質問か分かりませんが、そんなの、答えられるワケありませんよね(笑)
答えにくいものを答えさせようとすると、仕方なく、テキトーな答えが返ってきます。
当然、リサーチの結果に大きな誤差が生じます。リサーチした意味がなくなります。
その質問を公開している某有名メーカーの意図や如何に?と思ったWebアンケートでした。 |
まとめると、買う見込み度の高い擬似客を探し出すのが新規営業のポイントであるのと同様に、リサーチも、知りたい情報を教えてくれる人を探し出すのがポイント。
新規営業活動と、調査活動は、まったく同じと理解していいでしょう。 |
| (小笠原昭治/筆) |