| 常識やぶりの売り方で商品を売れ/業界常識の売り方とは正反対に売ってみよう |
ブックオフでは100円で古本を売っています。
100円で買った本を、同じブックオフへ10円で売ることもできます。ということは、
「100円で買った本を10円で売る = 差額90円で本を貸している有料の図書館」
という独自分析を別のページ(無料サービスを有料サービス化)に書き、身近な例から付加価値を導き出す糸口として示しましたが、書きたかった主題は全うせずに終わりました。 書きたかったテーマは、
「同業者と違うことをしよう」
ということであり、3つの小テーマに分ければ、
1(新刊は定価販売が普通という)一般常識の破壊
2(新刊は値引き販売が不可能という)業界常識の破壊
3(今までに無かった)新しい売り方の提案
でした。一言でいえば「破壊と創造」です。では、それぞれ詳しく解説していきましょう。 |
新刊は、再販制度があるため、一円たりとも値引きできません。それが世間の常識であり、業界の常識です。
しかし、その常識の奥底には
「新刊だって安く買いたい」
というインサイト(顧客の本音)が潜んでいました。そのインサイトをブックオフは、
「新刊だって安く買えるよ」
と可能にしました。
つまり、定価が当り前の常識を「定価以下の値段で安く買える」へ変えてしまったことで、
「新刊だって安く買えるんだぁ!」
という驚きをもって顧客に受け入れられました。
その結果、
「新刊だって安く読みたい」
と思っていた読者層がブックオフへ雪崩れこんだ現実は周知の通り。
このエポックメイキングでブックオフは東証一部へ上場しました。 |
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こうした、不可能を可能にする発想は、業界のプロたる業界人こそ難しい場合があります。
【業界内にいるプロ(販売側)にとって】→常識。不可能であることを知っているし、諦めている
【業界外にいるシロウト(顧客側)にとって】→非常識。可能になればいいと思っているし、期待している
に分けられます。
業界外にいるのは誰か?
お客さんという非業界人、つまり、素人です。
お金を払うのは誰か?
競合他社という販売側ではなく、お客さんという顧客側です。
業界が味方についたところで、既得権益は守ってくれるでしょうケド、お金は払ってくれません。お金を払ってくれるのは顧客。
ということは、顧客を味方につければ、お金が入ってくるというわけです。 |
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ただし、釘も出すぎると、業界が潰しにかかります(苦笑)
業界は、業界の常識を守ろうとし、守らなければ村八分にします。
村八分というと抽象的で分りづらいでしょう、ひどいケースになると、商売できなくなるほど悪質な妨害さえあります。
拙著「あの会社が元気なのには理由がある」に登場する“現代仏壇”などは、典型的な業界イジメに遭った実例で、商品が供給されずに会社が潰れてもおかしくありませんでした。 |
ここが、業界の因循姑息を知りつつも、手を拱(こまね)くことになる現況の一つです。
良くも悪しくも業界の慣習は、日本の古い商慣習に深く根づいているため強靭で巨大。
この壁に立ち向かう勇者は快刀乱麻を断つより先に座(同業者組合や集合体)に潰されてしまうのが常でした。
その問屋や札差といった日本特有の流通チャネルは今も現存しますよね。
たとえば製油業界。
時は戦国時代の約500年前に油の販売独占権を握っていた京都・離宮八幡の氏子に、今日でも製油メーカーが
名を連ねていることをご存知ですか?その発祥は平安時代にまでさかのぼるといわれています。
それほど業界の根は深く根づいています。業界の慣習は、一朝一夕に崩れず。 |
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| (ページ半分まで読みました) |
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だから何もせずに現状のまま……という選択肢もありますし、誰もやらなければ自分が風穴を開ける!という選択肢もあります。
前者は、楽。ですが、貧しさと苦しさが永遠に続きます。限られたパイを分け合うのですから、安定していても、発展は望めません。
後者は、業界からの抵抗や妨害に遭い、成功するまでは苦しけれど、繁栄と栄光が待っています。新しいパイを作るわけですから、そのパイが出来上がってしまったら、もう独り占め。
どちらを選ぶもあなた次第です。
どっちにしても苦しいのならば、後者を選んでもいいわけです。 |
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ブックオフを例にとると、業界の誰しもが「新刊の値引き販売は不可能」であることを知っていました。
しかし、そこにメスを入れる人はいませんでしたし、気づきさえしなかったかも知れません。
わずか十数年前、そこに目をつけたのは、一人の素人でした。
業界外にいたからこそ
「安く売ったら儲かるじゃん?」
とのシンプルな発想が生まれました。
その業界外から、業界内へ、アルバイトとして入った主婦が、ブックオフの橋本社長。
橋本社長がアルバイトの面接に来た当時の様子を、坂本会長が振り返っている記事があったので、興味のある方は御覧ください。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070403/122234/ |
「そんなのムリ」
という業界の常識に対して
「できるようになればいいな」
という顧客のインサイトは、酢と油のように反発しあっています。
酢と油へ卵を入れて撹拌するとマヨネーズになるように、マヨネーズという魔法の調味料を作るには、
1 業界の不可能を探す
2 不可能が可能になったら市場に受け入れられるか探る
3 卵のようなつなぎに代わるものを考える
という3ステップが要ります。 |
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1の「業界の不可能」は、業界人なら肌身に沁みて知っているでしょう。
2の市場調査は、平たくいえば、人の話を聞いて回ることです。
3の「考える」のは一円もかかりません。いつでも、どこでも出来ます。
このように、やることといえば、シンプル。 |
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ブックオフの場合は、新しい商品を開発したわけではありません、商品は新刊と古本です。新刊書店も中古書店も昔からありました。
では、ブックオフの何が画期的だったのでしょう?
売り方です。
新刊安値販売を実現する仕入れとセットでブックオフのそれはUSP(ユニークセリングプロボジション)でした。 |
今の商品を変えずに、今の業態を変えずに、売り方を変えるだけで、東証一部に上場できるとしたら、どうします?
もしエポックメイキングに出会ったら、あなたは億万長者になれるでしょう。
できなければ、その条件を挙げてみましょう。違法行為でなければ、解決する方法はあります。 業界や世間では常識の売り方を、真逆の売り方で販売してみましょう。 |
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それはきっと、越後屋の店売りを思いついた三井高利のように、ほんのささいなことでしょう。
店売りにしても、三井高利の以前から、江戸の路地の小さな店舗では、店売りしていました。それを三井高利は大通りの店で実行して大成功しました。
拙著に取り上げたマツモトキヨシの社長も次のようにおっしゃっています。
「業界と足並みをそろえるつもりは無い」
業界ではなく、顧客を味方につけた者が勝つのは、いつの時代も同じようです。 |
| (小笠原昭治/筆) |