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マーケティングのポジションとポジショニング/
1)市場ポジショニング
スポーツのみならず、マーケティングに携わる人達もごく日常的に使っている用語に「ポジション(位置)」と「ポジショニング(位置取り)」があります。
ポジショニングは、市場におけるライバルとの違い=ポジション(位置)を決めること。どう差別化されているのか彼我の位置関係を見てみることいえば分かりやすいでしょう。
ポジショニングには、市場ポジショニングと製品ポジショニングがあり、それを考えるためのポジショニング分析、ポジショニングの7基準、ポジショニングマップがあります。
市場ポジショニングというと、市場における企業の位置を指します。
自動車メーカーやビールメーカーを思い浮かべてみれば解かりやすいでしょう。
1.トップシェアを誇る“リーダー”(一社)
2.トップシェアを狙う“チャレンジャー”(一社〜数社)
3.チャレンジャーに続く一団“フォロワー”(数社)
4.それらとは別の顧客を狙う隙間狙いの“ニッチャー”(数社)
以上の4つですが、こんなものは学校の授業で習うくらいで充〜分。
なぜなら、リーダーやチャレンジャーなど、市場の中で存在感を示している大手・中堅企業のマーケティング部に勤務するなら知っておく必要もあるでしょうが、日本の企業の99.7%(ほぼ100%)を占める中小零細企業はニッチャーです。わかりやすくいえば、その他大勢。
小さな町の小さな鉄工所が、どうして今さら、新日本製鉄に追いつき、追い超せるでしょうか(笑)
マーケティング・コンサルタント小笠原昭治
2)製品ポジショニング
製品ポジショニングは、競合製品との位置関係を指します。非メーカーでは、商品ポジショニングともいいます。
高級車を例に挙げてみましょう。高級車vs大衆車と、自家用vs業務用の切り口で表にすると
《高級車で業務用車》
運転手付きのクルマが代表的。
トヨタのセンチュリー、日産のプレジデント、ロールスロイスのシルバーセラフなど。
2台分の車体を繋ぎ合せたリムジンも業務用の高級車。あの巨大な車体を自家用で運転する人がいるでしょうか。
自家用登録(白ナンバー)だとしても、接客で使うのが専らでしょう。
. 《高級車で自家用車》
オーナー自ら運転する“高額な自家用車”
トヨタならセルシオ、日産ならシーマ、フェラーリF430、ポルシェ911など。
運転手付きの社用車として使われるベンツのSクラスやクラウンなどは、自家用と業務用の中間に位置。
《大衆車で自家用車》
トヨタ・カローラや日産・サニーが代表的。
バブルの頃はBMWが“六本木のカローラ”と呼ばれましたが、BMWが大衆自家用車に入るかどうかは、あなたの判断次第(笑)
《大衆車で業務用車》
商用や運搬・作業に使われる車。
軽トラックのダイハツ・ハイゼット等の他に、バンのトヨタ・ハイエースや、ライトバン(ステーションワゴンタイプ)の日産ADバンなど。
以上の四つを切り口に十字型の表を作ると、
「業務用」と「自家用」がX軸の両端に
「高級車」と「大衆車」をY軸の両端に
なり、4つの象眼(セル)ができ、その中で、どの製品が、どのあたりに位置しているか、点を打っていくことをマッピングといいます。
マーケティング・コンサルタント小笠原昭治
3)ポジショニングマップ
わかりやすく自動車全体をマッピングしてみましたたが、マーケティングの実際では、以上のように大雑把にマッピングすることはなく、少なくとも、軽トラであれば軽トラに絞るのが普通です。
その時、どういう切り口でマッピングするかがマーケティング担当者の腕。
価格の高低という軸もあれば、品質の高低という軸もあります。
機能の良し悪しという軸もあれば、感情的ベネフィットという軸もあります。
ヘビーvsライト・ユーザーという軸もあれば、プロvsアマという軸もあります。
丼物をテーマにして、早いvs遅い/高いvs安いの二軸を組み合わせてマップを作れば、象眼の対象には、吉野家の牛丼と、老舗の鰻丼が位置するでしょう。
どういうニーズやベネフィットの切り口で二軸を作るかは、組み合せ次第であると共に、マーケティング担当者の発想力に因ります。
そうして最終的には新商品になったり、用途提案になったり、ポジショニング広告となってアウトプットされます。
※ポジショニング広告…製品のポジションを訴える目的の広告。エビスビールの「ちょっと贅沢なビール」等。
(ページ半分まで読みました)
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4)ポジショニング分析
自社製品のポジショニングを調べる時はSD(意味微分)法やリッカート(評定尺度)法を使って、アンケートの集計結果を分析します。
ナントカ法といっても、難しいことはなく、たとえば、
【質問】小笠原昭治を好きですか?
とても好き - ちょっと好き - どちらでもない - ちょっと嫌い - かなり嫌い
5項目のいずれかを選んでもらう方法です。これがSD(意味微分)法を用いたアンケート。
人間の感性は曖昧で、明確な数字で判断するのが難しいため、「どんな感じ?」なのかを、5段階ほどに分ける方法。
これにより、漠然とした感覚が、どういう傾向にあるか把握できます。
余談だが、上の質問には、回答して頂かなくて結構ですが(笑)、おそらく「どちらでもない」が圧倒的に多いはず。中間に偏りがちなのがSD法の弱点です。
マーケティング・コンサルタント小笠原昭治
一方、評定尺度法は、通信簿をイメージしてもらえれば解かりやすいでしょう。
子供の頃に一喜一憂した、あの「算数1」「国語4」「社会5」「理科2」です。
たとえば、優劣や暖冷といった対極をなす回答を2つ用意しておき、その間を5〜7段階に区切り、どの段階が多くて、どの段階が少数か調べる方法。
ちなみに通信簿は、優等生と劣等生を5段階で分類し、多感な時期に劣等感を植え付ける愚行。
5)7つのポジショニング基準
どういうポジションを取るか決めるときには、考慮すべき7つの基準があります。
1 はっきりとわかるベネフィットがあるか?
その商品を購入することによって、どんな得があるのか明確になっていること。
商品ではなく、店舗なら、安さが取り得の最寄品(日用雑貨)がドコよりも安いのか?
それとも、品揃えが豊富なのか?にぎやかで楽しいのか?専門性が高いのか?ということ。
2 それを伝えられるか?
どんなに良いものであっても、伝わらなければ無きも同然。
とはいえ、万人に伝える必要はありません、価値を認める人だけに分ってもらえればいい商品もあります。
たとえば、RX-78-2と聞いても、ほとんどの人は何のことか意味不明ですが、機動戦士ガンダムのファン
であれば“初期型試作品の型式番号”であることがわかります。
3 ターゲットが買う価格か?
価格が高い安いの問題ではなく、ターゲットが「買える値段か?」ということ。
たとえば、20万円のガンダムの人形であっても、買う人がいれば、商売は成り立ちます。
吉本興業のロンドンブーツの亮さんは、20万円のザクのフィギュア(MS-06SシャアZAKU)を買いました。
フェラーリにしても、ストラディバリウスにしても、ターゲットが買う価格であればビジネスは成り立ちます。
4 競合他社の製品とは差別化されているか? 
4-1 多機能化
他社製品よりも、ユーザーが望むベネフィットに、可能な限り対応できるか?
4-2 高級化
競合他社の製品よりも 高級感があるか?
4-3 付加価値化
無料配送やアフターサービスなど、商品を購う価格以上の価値があるか?
4-4 ブランド化
ネーミングや商標、ポリシー、色、形などのオリジナリティがあるか?
5 差別化することにより、自社製品のほうが優れているか?
「差別化戦略として、当社の豆腐を\1,000に値上げしました!」
「はあ?ただ高いだけの豆腐なんて誰が買うんだ?」
6 それは競合他社に先駆けているか?
ライバルが既に行っている商品をトレースするだけでは、いつまで経っても、ライバルの後塵を拝するだけ
なのは自明の理。
あなたの商品の何かが、競合に先んじている必要があります。
それがユニークセリング・プロポジションだったり、製品コンセプトだったりします。
7 市場に受け入れられるか?
拙著「売りこむな!期待をくすぐれ!」に登場したマジックテープのように、どんなに画期的な製品であっても
市場に受け入れられなければビジネスは成立しませんし、市場が小さいと利益が小さいくなります。
マーケティングを考えるときは、まず、市場(マーケット)を考えます。
一番いいのは、同業者が気づかずにいる、需要の大きな市場を見つけた者の勝ち。
それを見つける方法は?
興味を持ち、調べ、考え、訊き、試し、動いてみよう。
動けば、わかります。
 (小笠原昭治/筆)
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