| ccbフロー(コンピタンスtoケイパビリティtoベネフィット)/何ができて何が得意? |
1)×××した×××を見たことあるかい?
青く澄んだ空の下、水平線の彼方まで続く麦畑の中をかきわけるようにして真っ直ぐに伸びた農道を、ピックアップトラックに乗って走っている時だった。
かなり先の道の傍ら(かたわら)に、黒い乗用車が、ボンネットを開けて止まっていた。エンジン・トラブルらしい。
ミニスカートをはいた八頭身のブロンド美女がボンネットの中を覗きこんでいる。しなやかに曲がりくねった四肢が悩ましい。
美女は、近づいてくるピックアップトラックに気づいたらしく、おもむろに顔をあげて微笑んだ。
「へい!見ろよ」
ピックアップトラックの助手席に乗っている相棒が歓声をあげた。
それもそのはず、もはや下着といっていいほど透けたキャミソールの右肩の細い紐が、いまにも右肩から落ちそうで、その外れそうな肩紐が、豊かなバストラインへ視線を誘う。
「ヒュゥ!いい女は助けなきゃバチが当たるぜ」
「もちろんさ」
減速したピックアップトラックは、ゆっくりと黒い乗用車へ近づいていった。
速度を落とし、黒い乗用車のエンブレムが見える位置まで近づいたその時!
「!」
床が抜けんばかりにトラックのアクセルを思い切り踏み込むと、トラックは砂煙を上げつつ急加速で美女の前を走り抜けた。
「何するんだ!おい!気でも触れたのか?」
相棒の猛抗議に一言だけ答えた。「あれはワナだ」
「罠?」
「エンストしたトヨタを見たことあるかい?」
事実だった。走り去ったピックアップトラックのあとに残された美女が、かつらとマスクを脱ぐと、冷徹そうなスキンヘッドの男が現れた。
男は、いまいましそうに、かつらとマスクを地に叩きつけていた。 |
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2)ケイパビリティ
この話のあとには、
TOYOTA
Maneja Confiado(信頼されたドライブ)
とスペイン語で表示されるトヨタのCMでした。
http://www.youtube.com/watch?v=1cPcpJcBR2k
トヨタはエンストしないという、トヨタのケイパビリティを如実に表したCMです。
capability(ケイパビリティ)を直訳すると、
1.能力、才能、素質、手腕
2.機能、性能
3.可能性、将来性
ですが、用語としては経営論の組織的能力(Organizational Capabilities)のことで、
トヨタは、壊れにくい車を作るケイパビリティ(組織的能力)が高く、
フェラーリは、速い車を作るケイパビリティ(組織的能力)が高いというように使われます。
ケイパビリティは、組織能力に基づく戦略(capability based strategy)ともいわれます。 |
(以下GOO辞書より) capability based strategy
企業がもつケイパビリティ(組織能力)を最大限に活用し、競争優位を構築することを目指す戦略。
戦略の実行能力の高さそのものを生かした差別化戦略である。
スピードや効率性などで他社を凌駕するケイパビリティを有する企業であれば、
そのケイパビリティを生かした新たな競争戦略を立案することが可能となる。 |
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3) できることの提案
このケイパビリティという用語が近ごろ頻繁に使われるようになりました。
たとえば、広告業界では、クライアントに対して、何ができるのか提案することを、ケイパビリティ・プレゼンテーションと呼びます。
ケイパビリティ・プレゼンテーションの内容は、付加価値マーケティングの戦略核そのままに、
1 どんな独自性があるか?(ex:印刷物を使った独自の広告媒体が1,000種類)
2 どんな優位性があるか?(ex:自社内に印刷工場を持っている)
3 どんな差異性があるか?(ex:イベントやトレードショーの経験が豊富)
結論
「ビジネスショーや新製品の発表会に、印刷設備を持つ当社の資産や機動力や経験、貴社の業界に精通した専門性が、心強い味方となるでしょう」
だから
「イベント現場に貴社の社員を多く割かずに済みます」
(貴社の代わりに販促活動しますからラクですよという意味)
とか
「4大メディアの口座は持ちませんが、販促では総合広告代理店に負けません」
(4大媒体を使う必要がなければ、パンフレット作りひとつとっても、貴社の
業界に精通した当社へ任せると有利ですよという意味)
とか
「バジェットをグロスでお引き受けできます」
(広告の総予算を丸ごと下さいという意味。一手扱いのこと)
という「当社が貴社へ『できること』を提案するプレゼンテーション」のことです。 |
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4)competence+capabilities+benefitのフロー
ケイパビリティに、コア・コンピタンス。
経営論など学んだことのない筆者には正直いってコア・コンピタンスとの違いが皆目わかりません。
※コア・コンピタンス(core competence)
他社に真似のできない自社ならではの価値を提供する企業力の中核のこと。
しかしながら、無理矢理に区別してみると、コンピタンスを企業資産(asset)の拡大と解釈すれば、
コンピタンス=何を持っているか
ケイパビリティ=何が出来るか
と区別・解釈できます。 |
たとえばメーカーなら、コンピタンスは、
・製造装置を持っていることや、他社の真似できない技術があること
で、ケイパビリティは、
・それによって、何が出来るか
と解釈でき、これを前述のトヨタの例に当てはめると、
コンピタンス=品質の高い車を作る設備と、開発力と、生産技術がある
から
ケイパビリティ=壊れにくい車を作ることができる
と区別できそうな気がします。 |
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「気がする」などと気弱な表現に留まるのは(笑)、ケイパビリティの定義が曖昧なまま、カタカナを好む業界の流行語になりつつあるように思えるからです。
とはいえ、コンピタンスとベネフィットの間にケイパビリティが加わることで、
1 こんな設備や技術を持っている(コンピタンス)
↓
2 だから、こんなことができる(ケイパビリティ)
↓
3 なので顧客には、こんな利便性がある(ベネフィット)
というフローが成り立ちます。competence+capabilities+benefitのccbフローです。 |
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5) 付加価値マーケティングで考えてみる
competence+capabilities+benefitのccbフローは
1 あなたは、有形・無形を問わず、何を持っているのか?
↓
2 それにより、何が出来るのか?
↓
3 それは顧客にとって、どう役立つのか?
という三段論法になります。ccbフローが問いかける意味は奥深く、マーケティングを用いているかどうかが一瞬で判明するようになっています。
たとえば歯科医院ならば、
1 私は歯科医師免許を持っています。治療技術もあります。医院もあります。
↓
2 だから、歯を治すことができます。
↓
3 よって、患者さんは、歯が痛くなくなります。
という流れになりますが、これでは、どこの歯科医院も一緒(笑) |
もう一層、深く考えるには、
・ccbフローの本質は何か?
・ccbフローの本質には、どんな価値があって、その価値は、どう価格へ反映されるか?
・いつ、どこで、だれが、何と、なぜ、いくらで比べられ、選ばれるのか?
・買いたいと思うときに想起できるよう、正しい接触を繰り返しているか?
の付加価値マーケティングに照らし合わせれば、深く掘り下げて考えられます。 |
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話を戻して、ケイパビリティ。
あなた(の会社)は、何が出来て、何が得意なのでしょう?
それを一行で書くと__________________________
それは(独り善がりではなく)ちゃんと顧客へ伝わっていますか?
どう伝わっているか一行で書くと____________________
それを一個の企業体として、従業員全員が共有しているかどうか、明日の会議の議題にしてみませんか。 |
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| (小笠原昭治/筆) |